相続税の障害者控除とは?要件や計算方法を解説
相続人が障害を持っていた場合、相続において、ある優遇制度を利用することができます。
本記事では、相続税の障害者控除について解説します。
相続税の障害者控除とは
相続税の障害者控除とは、85歳未満の障害者が相続により財産を取得した際に、税負担を軽減するために用意された税制上の優遇制度です。
本制度は、遺産全体の評価額から一定額を控除する課税価格の控除とは異なり、計算された税金そのものをダイレクトに減らすことができるため、特に高い節税効果を見込めます。
また、障害者本人の算出相続税額から控除額を引ききれなかった場合は、残った控除枠を他の扶養義務者の相続税額から差し引くことも認められています。
対象となる障害者の区分
障害の区分によって年あたりの控除額が異なるため、手帳の等級や認定内容を事前に確認することが大切です。
◾️一般障害者
身体障害者手帳の3級から6級に該当する人や精神障害者保健福祉手帳の2級または3級に該当する人、65歳以上で障害の程度が身体障害者に準ずるものとして市町村長等の認定を受けた人が該当します。
◾️特別障害者
身体障害者手帳の1級または2級に該当する人や精神障害者保健福祉手帳の1級に該当する人、重度の知的障害者と判定された人が該当します。
相続税の障害者控除の適用要件
障害者控除を適用するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
以下で具体的に確認しておきましょう。
要件①相続により財産を取得した85歳未満の者であること
1つ目の適用要件は、被相続人の死亡に伴う相続や遺贈によって実際に財産を取得した者であり、なおかつ85歳未満であることです。
年齢の判定については、相続開始日である被相続人の死亡日時点における満年齢で行います。
要件②法定相続人であり居住者であること
2つ目の適用要件は、財産を取得した障害者が被相続人の法定相続人であり、原則として日本国内に住所を有する居住者であることです。
法定相続人とは、配偶者や子、親、兄弟姉妹などの法律で定められた相続権を持つ人を指します。
遺言によって財産を取得した受遺者であっても、法定相続人でない第三者の場合は本制度を適用できません。
また、日本国内に住所を有していない制限納税義務者の場合は原則として対象外となります。
ただし、日本国籍を有しており一定の条件を満たす場合は例外的に適用できるケースもあります。
要件③遺産取得時に障害者手帳等を保有していること
3つ目の適用要件は、相続開始時点において障害者として手帳などを保有していることです。
具体的には、被相続人が死亡した日時点で障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の交付を受けているか、交付申請を行っている必要があります。
相続発生後に新たに手帳の交付を受けた場合は、原則としてその相続における控除対象とはなりません。
ただし、相続開始日時点で障害の程度が認定基準を満たしており、後日手帳が交付された場合は医師の診断書等により適用が認められる場合もあります。
相続税の障害者控除の計算方法
障害者控除の金額は、年齢と障害の区分に応じてあらかじめ定められた計算式を用いて算出します。
具体的な計算方法をケース別に確認していきましょう。
ケース①一般障害者の場合
一般障害者に該当する場合の控除額は、以下の計算式に基づき算出します。
◾️(85歳 - 相続開始時の年齢)× 10万円
なお、85歳との差である年数に1年未満の端数が生じる場合は切り上げて1年として計算を行います。
ケース②特別障害者の場合
特別障害者に該当する場合の控除額は以下の式で計算します。
◾️(85歳 - 相続開始時の年齢)× 20万円
一般障害者の計算と同様、85歳との差である年数に1年未満の端数が生じる場合は切り上げて1年として計算を行います。
ケース③控除枠を扶養義務者へ引き継ぐ際の場合
障害者本人の算出相続税額よりも障害者控除額の方が大きい場合、本人の税額は0円となります。
また、本人から引ききれなかった残りの控除額は、障害者本人の扶養義務者の相続税額から直接差し引くことが可能です。
扶養義務者とは、配偶者、直系血族、兄弟姉妹、生計を一にする3親等内の親族が該当します。
たとえば、本人の控除額が600万円あり、本人の算出相続税額が200万円の場合、引ききれない400万円分を扶養義務者である配偶者や兄弟の相続税額から差し引くことができます。
まとめ
相続税の障害者控除は、85歳未満の障害者が財産を取得した際に税額を直接減額できる手厚い制度です。
また、本人で引ききれない控除額は扶養義務者へ引き継げるため、一族全体の節税につなげることも可能です。
適用要件や計算方法について不安がある場合は、相続に詳しい税理士までご相談ください。
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Certified Public Tax Accountant
税理士紹介
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- 税理士
- 越智 文夫(オチ フミオ)
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- 所属
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- 東京税理士会
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- 経歴
-
昭和24年、東京都生まれ。東京経済大学卒業。
「人のためになる仕事をしたい」「巡り合った方のお力になりたい」と考え、税理士を志す。
大学卒業後に税理士資格を取得。昭和55年池袋に事務所を構え、以来38年、個人・法人に関係なく様々な方のご相談を伺い、税務申告や会計業務でお悩みの解決をサポートしている。
Office Overview
事務所概要
| 事務所名 | 税理士法人HOPEオフィス |
|---|---|
| 所属 | 東京税理士会 |
| 税理士 | 越智 文夫(オチ フミオ) |
| 所在地 | 〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目31番5号 南大和ビル3階 |
| 電話番号 | 03-3987-5301 |
| 対応時間 | 平日 9:00〜17:00(事前予約で時間外対応可能) |
| 定休日 | 土・日・祝 |