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贈与契約書の基本~作成のメリットや作成方法を紹介~

財産を無償であげるとしても「贈与契約書」は作成しておくべきです。

贈与の事実があったこと、贈与に関するルールのことなどが争点となり後で揉める可能性があるためです。

納税の観点からも重要な存在といえますので、ここで贈与契約書の重要性や作成方法などをご確認いただければと思います。

贈与契約書とは?定義と基本的な役割

贈与契約書は、「財産を無償で譲与する際の契約内容を文書化したもの」です。

 

贈与者(財産を譲渡する側)と受贈者(財産を受け取る側)の間で定めた、贈与する財産の内容や贈与の時期、条件などを明確に記載しておくことで、将来的なトラブルを防ぐ重要な役割が果たせます。

 

なお、贈与契約は口頭でも成立しますが、書面(紙)を作成していない贈与契約では一方の当事者が自由に解約できてしまいます。

贈与契約書を作成するメリット

贈与契約書を作成することには、法的な保護・安全性を高めるだけでなく、税務上の利点もあります。

以下の表で、贈与契約書作成の主なメリットをご紹介します。

 

メリット

詳細

贈与の事実の証明

口頭での約束とは異なり、贈与があったことを第三者に対しても確実に示すことができる客観的な資料が作れる。

相続トラブルの防止

遺産相続時に発生し得るトラブルを未然に防ぐ役割を果たす。特に、遺言書がない場合の遺産分割協議において役立ち、生前贈与の事実を示して相続人間の公平な遺産分割を実現するために契約書が機能する。

贈与条件の明確化

贈与の時期や方法、条件などの詳細を明記することで、贈与者と受贈者の間で起こる認識のずれを防ぐ。

一方的な解約を防ぐ

民法第 550条にて、書面によらない贈与なら各当事者が自由に解除できると規定されている。受贈者としては、贈与を確実なものとするために契約書が役立つ。

贈与税申告の証拠書類として使える

贈与契約書は、贈与税の申告時にも使う重要な証拠書類。税務調査の際でも贈与の事実を証明することができ、贈与税の適正な申告を裏付ける資料として活用できる。

生前贈与の証拠書類として使える

相続税対策で生前贈与を行うこともあるが、契約書が作られていないとその事実の証明が難しくなる。節税効果を確実なものとするためにも契約書の作成・保管が必要。

贈与契約書の作成方法

贈与契約書の基本的な記載事項は次のとおりです。

 

  • 契約締結日の特定(具体的な日付を記載)
  • 贈与者および受贈者の特定(住所と氏名・名称を記載)
  • 贈与する財産の特定
  • 贈与の時期や方法
  • 贈与者と受贈者の署名捺印

 

様式に決まりはありません。以下のようにシンプルな構成で作ることも可能です。

 

***************** 以下サンプル  *****************

 

贈与契約書

 

贈与者(以下「甲」という)と受贈者(以下「乙」という)は、以下のとおり贈与契約を締結する。

 

第1条 甲は、____を乙に贈与するものとし、乙はこれを承諾した。

第2条 甲は、第1条に基づき贈与した____を、__年__月__日までに、____の方法で乙に引き渡すものとする。

 

この契約を締結する証として、この証書2通を作成し、甲乙双方が署名捺印のうえ、各1通を保有するものとする。

 

__年__月__日

(甲) 住所 ____________

     氏名 ____ ㊞

(乙) 住所 ____________

     氏名 ____ ㊞

 

***************** 以上サンプル  *****************

作成時の注意点

契約書を作るときは、贈与の内容を具体的かつ明確に記載すること、曖昧な表現を極力避けることに注意してください。

特に贈与財産や贈与の方法については詳細に記載しておくことが大事です。

 

  • 現金の場合
    • 金額を明記する
    • 振込先の口座情報を明記する
  • 不動産の場合
    • 登記事項証明書の記載に基づき物件を正確に特定する
    • 登記にかかる費用の負担者なども定めておく
  • 株式の場合
    • 会社名、株式の種類、株式数なども明記する
    • 株券があるときは株券番号も明記する

 

必要に応じて、財産の種別だけでなく個別に付けられた番号などの情報も記しておきましょう。

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税理士紹介

越智税理士の写真
  • 税理士
    越智 文夫(オチ フミオ)
  • 所属
    • 東京税理士会
  • 経歴

    昭和24年、東京都生まれ。東京経済大学卒業。

    「人のためになる仕事をしたい」「巡り合った方のお力になりたい」と考え、税理士を志す。

    大学卒業後に税理士資格を取得。昭和55年池袋に事務所を構え、以来38年、個人・法人に関係なく様々な方のご相談を伺い、税務申告や会計業務でお悩みの解決をサポートしている。

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