貸付用不動産評価の5年ルールとは?3年ルールとの違いも解説
相続財産に賃貸アパートなどの貸付用不動産が含まれていた場合、相続税評価額は低くなるのが一般的です。
しかし、2027年1月1日以降に導入される貸付用不動産評価の5年ルールの対象となると、相続税評価における減額が難しくなります。
本記事では、貸付用不動産評価の5年ルールの概要や、混同されやすい3年ルールとの違いについて解説します。
一般的な貸付用不動産の相続税評価の方法
不動産の相続税評価は、土地と建物に分けて算出されます。
建物については、固定資産税評価額をベースにして評価が行われます。
固定資産税評価額は実際の建築費や市場での売買価格と比較して概ね7割程度の水準に設定されていることが多いです。
さらに、建物を他人に貸し付けている場合には、借家権割合や賃貸割合を考慮して評価額が引き下げられます。
土地については、路線価地域であれば路線価をベースに、倍率地域であれば固定資産税評価額に倍率を乗じて評価額を算出します。
土地の上に賃貸用のマンションやアパートが建っている場合、その土地は貸家建付地として扱われます。
貸家建付地として評価されると、自用地としての評価額から借地権割合などを乗じた価額が控除されるため、土地を自用している場合よりも評価額が圧縮されます。
以上のことから、将来的な相続税の負担への対策として、現金を不動産に変え、他人に貸し付ける手段を取られる方も多くいらっしゃいます。
貸付用不動産評価の5年ルールとは
貸付用不動産評価の5年ルールとは、相続開始前の一定期間に取得された貸付用不動産について、通常の取引価額を基準に相続税評価しなければならないという決まりです。
5年ルールが導入される背景には、従来の貸付用不動産評価における取引価額と相続税評価額の乖離があります。
固定資産税評価額と路線価を基準としていることや、借家権割合などを考慮していた評価額の引き下げにより、相続税評価額は取引額よりも大幅に低く算定されることが珍しくありません。
そのため、被相続人が亡くなる直前に貸付用不動産を購入し、相続税の圧縮を図るケースも多く見られます。
貸付用不動産評価の5年ルールは、このような取引価額と相続税評価額の乖離を利用した短期間での相続税対策を制限するものであるといえます。
5年ルールの対象となるのは、被相続人が相続開始前5年以内に対価を伴う取引により取得または新築した貸付用不動産です。
従来の制度であれば、相続が起きる直前に現金を使って収益不動産を取得した場合であっても、取得直後から路線価や固定資産税評価額に基づく評価方法を適用して取引価額よりも低い相続税評価額を主張できました。
しかし、5年ルールが適用されるケースでは、通達に基づく路線価や倍率を用いるのではなく、原則として取引価額に相当する金額を基準に評価されます。
実務上は、課税上の弊害がないと認められる場合に限り、地価の変動等を考慮して取得価額の80%に相当する金額で評価することが認められる場合もあります。
この場合の貸付用不動産の相続税評価額を求める計算式は、以下のようになります。
相続税評価額 = 被相続人等の取得価額 × 地価の変動等を考慮する率 × 0.8
また、被相続人等が相続開始5年前からすでに所有している土地の上に新築した家屋については、5年ルールの対象外です。
5年ルールと3年ルールの違い
貸付用不動産評価の5年ルールと混同されやすい類似の規制として、小規模宅地等の特例における3年ルールがあります。
5年ルールと3年ルールは、期間に関する数字が含まれている点や不動産に関する規制である点は共通していますが、適用される対象は異なります。
具体的には、貸付用不動産の相続税評価額の算出方法そのものを規定する5年ルールに対して、3年ルールは小規模宅地等の特例の適用要件を規定するものです。
小規模宅地等の特例とは、被相続人の事業や居住に利用されていた宅地等について、一定の要件を満たす場合に相続税評価額を最大80%減額できる制度です。
賃貸用アパートなどの敷地である貸付事業用宅地等の場合、200平方メートルを上限として評価額を50%減額することができます。
しかし、3年ルールによって、相続開始前3年以内に新規で貸付に活用されることとなった土地については適用の対象外となります。
3年ルールの除外要件に該当した場合でも、特例による減額が受けられなくなるだけであり、不動産の評価方法に影響はありません。
まとめ
本記事では、貸付用不動産評価の5年ルールの概要や、小規模宅地等の特例における3年ルールとの違いについて解説しました。
貸付用不動産評価の5年ルールは、相続開始前5年以内に取得した貸付用不動産について、取引価額を基準に相続税評価するという決まりです。
相続税を軽減するために不動産投資をお考えの方は、税理士への相談をご検討ください。
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Certified Public Tax Accountant
税理士紹介
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- 税理士
- 越智 文夫(オチ フミオ)
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- 所属
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- 東京税理士会
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- 経歴
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昭和24年、東京都生まれ。東京経済大学卒業。
「人のためになる仕事をしたい」「巡り合った方のお力になりたい」と考え、税理士を志す。
大学卒業後に税理士資格を取得。昭和55年池袋に事務所を構え、以来38年、個人・法人に関係なく様々な方のご相談を伺い、税務申告や会計業務でお悩みの解決をサポートしている。
Office Overview
事務所概要
| 事務所名 | 税理士法人HOPEオフィス |
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| 税理士 | 越智 文夫(オチ フミオ) |
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