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相続税の連帯納付義務とは?対象者や責任の範囲など

複数いる相続人のうち、誰かが相続税を支払わなかった場合、相続税の納付義務はどうなるのでしょうか。

そんな事態を想定して、相続税には、「相続税の連帯納付義務」という制度と義務が存在します。

本記事では、この「相続税の連帯納付義務」について解説いたします。

相続税の連帯納付義務とは?

相続税の連帯納付義務とは、相続人たちが相続税を納付する際に、1人あたりの負担額ではなく、全員で負担することをお互いに義務付ける制度です。

つまり、相続人らは、誰か1人でも納付を怠った場合、納付を怠った人の未納分を全員で負担する必要があります。

例えば、1000万円の相続税を10人で分割して、納付するときに1人が100万円を納付しなかった場合、残りの9人がその100万円を皆で負担する義務があり、一人11万円ずつ負担することになります。

なお、相続放棄を家庭裁判所に申し立てて、認められた場合は連帯納付義務が免除されます。

相続税の連帯納付義務の対象者

相続税の連帯納付義務は誰が対象となるのでしょうか。

相続税の連帯納付義務は、原則として相続人全員に課せられます。

ただし、遺産分割協議書において別途定めた場合や、相続人が納付能力のない場合は除外されます。

相続税の連帯納付義務の責任の範囲

連帯納付義務を負う相続人は、未納分について無限に負担しなければならないのでしょうか。

相続人全員が負担できる金額の範囲は、以下の計算式で求められます。

 

「連帯納付義務の上限=相続した遺産総額-既に納めた相続税の総額」

 

つまり、相続によって得た利益、プラスの範囲内の金額でのみ連帯納付義務を負うことになります。

滞納時の延滞税や利子税などの負担

連帯納付義務においても相続税の納付期限を過ぎてしまった場合、滞納時の遅延税や利子税などが追徴課税されます。

想定外の納税で原則となっている現金一括が行えない場合は、物納や延納制度の利用を申請しましょう。

適切に活用すれば、延滞税や利子税の負担を最小限に抑えることができます。

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  • 税理士
    越智 文夫(オチ フミオ)
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    • 東京税理士会
  • 経歴

    昭和24年、東京都生まれ。東京経済大学卒業。

    「人のためになる仕事をしたい」「巡り合った方のお力になりたい」と考え、税理士を志す。

    大学卒業後に税理士資格を取得。昭和55年池袋に事務所を構え、以来38年、個人・法人に関係なく様々な方のご相談を伺い、税務申告や会計業務でお悩みの解決をサポートしている。

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