親族外の事業承継|おさえておくべきポイントとは
親族外で行う事業承継(親族外承継)は、企業の存続と成長を図る上で重要な選択肢の1つとなっています。
以下に、親族外承継の主な特徴やよくある問題、そしてそれらに対応するために押さえておくべきポイントを紹介します。
親族外承継の特徴
親族外承継の特徴は、次のようにまとめることができます。
- 新たな視点を取り入れやすい
外部から後継者を受け入れることにより、新しい知識やノウハウ、経営戦略を取り入れることが期待できる。事業の革新や競争力強化にもつながる。 - 経営の専門性が向上する
プロフェッショナルを経営者として迎え入れることで経営の専門性を高め、効率的・効果的な企業運営が図られる。 - 後継者選びが幅広くなる
幅広い候補者の中から後継者を選ぶことができ、より事業承継が進めやすくなる。また、経営能力を基準に後継者を選定できるため、企業の安定した運営が期待できる。
よくある課題と対応のポイント
親族外承継には良いところもありますが、次に掲げるような課題もあります。
対応にあたってのポイントと併せて確認しておきましょう。
後継者の選定と育成
社外から経営を任せる人材を見出すためには、経営能力や人格の確認、そして企業理念や価値観の共有が重要になってきます。
この課題に対しては、数年ほどの十分な育成期間を設定し、段階的に権限を委譲しながら実務経験を積ませることが有効といえるでしょう。
また、外部専門家によるチェックを取り入れるなど、より客観的な人材評価も有効です。
人材の選定にあたっては、当人の能力ももちろんですが、特に企業文化への理解と適応能力を見極めることが大事です。
企業内部での信頼関係構築
前項で言及したこととも関連しますが、親族外の後継者の場合には「従業員からの信頼獲得」が特に重要です。
そのための対応として、承継計画を社内で早期に周知し、時間をかけて従業員との関係構築を支援することが効果的です。
また、承継後の経営方針を明確に示し、社内での共通理解を形成することで円滑な組織運営が可能となるでしょう。
幹部社員との個別面談や定期的な意見交換の場を設けることも信頼関係構築に有効です。
株式取得資金の調達
財務面での課題として、「株式取得資金の調達」が挙げられます。
後継者に多額の株式取得資金が必要となるケースがあり、その場合は資金調達が大きな壁となります。
この課題に対しては、経営承継円滑化法による金融支援の活用や、種類株式の活用による段階的な株式取得など、柔軟な手法方法を検討しましょう。
個人保証等の引き継ぎ
個人保証や連帯保証の引継ぎが障害となることもあります。
この問題に対応するため、前もって個人保証を解消しておくなど、リスクを軽減する取り組みを行うことが重要です。
金融機関との交渉を通じて保証人の変更や解除を検討することも有効といえるでしょう。
事業承継後のガバナンス
事業承継後のガバナンス体制の構築も大きな課題です。
親族外承継の場合だと、前経営者との関係性や権限の明確化が重要となります。
つまり、「誰が」「どのような立場で」「どこまでの権限を持って」経営に関与するのかを明確にするということです。
これが不明確だと、日々の意思決定に支障をきたしたり、従業員が混乱したりする原因となります。
具体的な対応として、まず取締役会の構成と役割を明確にすると良いでしょう。
例えば、後継者が代表取締役社長に就任する一方で前経営者は会長として経営監督に専念する、といった役割分担などが考えられます。その際、両者の権限範囲(日常的な業務執行は社長に委ね、重要な投資判断は会長の承認を要する、など。)を明文化することが重要です。
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Certified Public Tax Accountant
税理士紹介

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- 税理士
- 越智 文夫(オチ フミオ)
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- 所属
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- 東京税理士会
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- 経歴
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昭和24年、東京都生まれ。東京経済大学卒業。
「人のためになる仕事をしたい」「巡り合った方のお力になりたい」と考え、税理士を志す。
大学卒業後に税理士資格を取得。昭和55年池袋に事務所を構え、以来38年、個人・法人に関係なく様々な方のご相談を伺い、税務申告や会計業務でお悩みの解決をサポートしている。
Office Overview
事務所概要
事務所名 | 税理士法人HOPEオフィス |
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所属 | 東京税理士会 |
税理士 | 越智 文夫(オチ フミオ) |
所在地 | 〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目31番5号 南大和ビル3階 |
電話番号 | 03-3987-5301 |
対応時間 | 平日 9:00〜17:00(事前予約で時間外対応可能) |
定休日 | 土・日・祝(事前予約で休日対応可能) |
