不動産の生前贈与は行うべき? 節税が見込めるケースとリスクを知って判断することが大事
相続税対策について調べていると、「不動産の生前贈与」という言葉をよく耳にすると思います。確かに土地や建物を生前に贈与しておくことで相続税対策につながることもあるのですが、常に有益な手段であるとまではいえません。
重要なのはご自身の状況において節税効果が得られそうかどうか、そして生前贈与をすることによるリスクを知った上で決断するということです。当記事ではその判断の手助けとなるよう、不動産の生前贈与による節税効果、そしてリスクについてご説明させていただきます。
不動産の生前贈与は税理士に相談してから行う
「節税のために不動産を生前贈与すべきでしょうか?」という質問に対する回答としては、「状況により異なります。」が答えとなります。
不動産の状態や利用できる特例なども考える必要があり、一概に生前贈与すべき・生前贈与すべきではない、と言い切ることはできません。
結論から申し上げますと、「的確な状況判断をするため、税理士に相談してから決めるのが最善」といえます。
不動産や相続に精通して相当な専門知識を持った方でない限り、判断ミスが起こる可能性が高まってしまうからです。
ただ、生前贈与が向いていると評価しやすいいくつかのパターンがあります。
次に挙げる状況下にある場合は、不動産贈与の検討も前向きに考えて良いかもしれません。
節税効果が見込めるパターン
不動産を生前贈与することにより節税効果が得られやすいパターンを、3つほど紹介します。
収益性の高い賃貸物件がある
自宅として使っている不動産ではなく、賃貸に出して収益を生んでいる不動産を持っているとき、特に高い収益性がある賃貸物件については、生前贈与を行うことが向いている傾向にあります。
これは2つの理由から説明することができます。
理由①:贈与後の収益は相続財産に組み入れられず、受贈者固有の財産となるから。逆に贈与を行わない場合、相続財産が年々増加していくことになる。
理由②:賃貸物件からの収益により、受贈者は納税資金を蓄えることができる。
収益性の高い物件は相続財産を大きくする方向に作用しますので、早い時期に贈与するほどその影響を抑えることができます。
また、納税資金のみならず生活資金も増やすことができるため、経済力の心配のある相続人などに贈与すれば生活保障の面でもメリットが得られます。
価格高騰が予想される物件がある
開発が進むエリアで不動産を所有している場合、将来値上がりが起こる可能性があります。
近くに駅ができる場合なども値上がりが起こるかもしれません。
相続開始時に価格高騰が起こっていると相続税の計算にも影響し、課税価格が大きくなって税負担が増すおそれがあります。
値上がりが起こる前に生前贈与をしておけば相続税の負担も抑えることができるでしょう。
ただし、値上がりをしてからの贈与だと贈与税の負担が大きくなってしまいますので、タイミングには要注意です。
贈与税の負担を小さくできるとき
値上がりや収益性など、相続時に不利となる特段の状況がない場合であっても、贈与税の負担を抑えて贈与できるときは生前贈与を検討する価値があります。
例えば「配偶者控除」の適用を受けられる場合などです。
婚姻期間が20年を超える夫婦間であれば、贈与税における控除額を基礎控除110万円に加え最大2,000万円上乗せすることができます。
不動産を生前贈与することのリスクとは
不動産の生前贈与を検討するとき、いくつかのリスクについても考慮することが大事です。
1つは「受贈者が不動産を適切に管理・運用できないかもしれない」ということです。例えば収益性の高い物件を譲り受けたものの、有効活用できず収益性を下げてしまう可能性もあります。節税効果が得られても、トータルで見ると損をしてしまうリスクがあります。
また、「維持費で生活が圧迫される」ということも起こり得ます。収益性のある物件だと現金も手に入りますが、そうでない場合は手元のお金は増えない一方で固定資産税などによる支出は発生し続けます。
その他にも注意すべきことはあります。他の相続人の取得分が極端に小さくなり親族間で揉めるリスクも考えなくてはなりません。
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税理士紹介
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- 税理士
- 越智 文夫(オチ フミオ)
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- 所属
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- 東京税理士会
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- 経歴
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昭和24年、東京都生まれ。東京経済大学卒業。
「人のためになる仕事をしたい」「巡り合った方のお力になりたい」と考え、税理士を志す。
大学卒業後に税理士資格を取得。昭和55年池袋に事務所を構え、以来38年、個人・法人に関係なく様々な方のご相談を伺い、税務申告や会計業務でお悩みの解決をサポートしている。
事務所概要
事務所名 | 税理士法人HOPEオフィス |
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所属 | 東京税理士会 |
税理士 | 越智 文夫(オチ フミオ) |
所在地 | 〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目31番5号 南大和ビル3階 |
電話番号 | 03-3987-5301 |
対応時間 | 平日 9:00〜17:00(事前予約で時間外対応可能) |
定休日 | 土・日・祝(事前予約で休日対応可能) |